週休3日制の導入ポイント

週休3日制の導入ポイント

― 働き方改革で選ばれる企業へ ―

近年、働き方・休み方改革の一環として「週休3日制」の導入が注目されています。 多様な働き方を実現し、ワーク・ライフ・バランスを向上させる取り組みとして、政府も導入を推奨しています。 ここでは、企業が週休3日制を導入する際に押さえておきたいポイントを整理します。

1. 週休3日制とは

　従業員が 1週間の休日を3日とする働き方を選択できる制度 です。 育児・介護・病気治療・学　び直し・副業など、多様な働き方を支援する目的で導入が進んでいます。

2. 導入によるメリット

従業員側のメリット

• 仕事と家庭・学び・副業の両立がしやすくなる

• 心身の健康維持につながる

• 余暇の充実による満足度向上

 企業側のメリット

• 働きやすい職場として採用力が向上

• 離職防止・定着率の向上

• スキルアップによる生産性向上

• 企業イメージの向上

3. 導入タイプは2種類

労働時間・給与を維持するタイプ

• 週の労働時間は維持

• 1日の労働時間を延長（例：10時間 × 週4日）

• 変形労働時間制やコアタイムなしのフレックスタイム制が必要

特徴： 給与水準を保てるため従業員の受け入れやすさが高い

労働時間・給与を削減するタイプ

• 1日の労働時間は維持

• 週の労働時間が減るため給与も減少（例：8時間 × 週4日）

特徴： ワーク・ライフ・バランスは向上するが、給与調整が必要

4. 導入時の検討ポイント

制度導入の目的を明確にする

• 人材確保

• 育児・介護支援

• 生産性向上

• 働き方の多様化対応

目的により制度設計が変わります。 

 対象者・対象事由の設定

• 全従業員対象か

• 育児・介護・自己啓発など事由を限定するか 

 休日の設定方法

• 全員同じ曜日を休日にする「一斉型」

• 業務状況に応じて交代で休む「交代型」 

 労働時間・給与・評価制度の見直し

• 変形労働時間制の導入

• 給与体系の調整

• 成果を適切に評価できる仕組みづくり 

年次有給休暇の扱い

• 週4日勤務かつ週30時間未満の場合は「比例付与」

• 就業規則への明記が必要 

副業・兼業のルール整備

• 労働時間の通算管理

• 健康確保措置の検討

 5. 導入プロセス（モデル例）

1. 現状把握・課題整理

2. 制度設計（タイプ・対象者・休日設定など）

3. 就業規則の改定・労使協定の締結

4. 社内説明・意見聴取

5. 試行導入（パイロット運用）

6. 本格導入・定期的な見直し

6. 成功のポイント

• 制度の目的と内容を丁寧に説明する

• 業務の標準化・引き継ぎ体制を整える

• 生産性向上の取り組みとセットで進める

• 利用者だけでなく職場全体の負担を考慮する

まとめ

週休3日制は、従業員の働きやすさを高めるだけでなく、企業の競争力向上にもつながる制度です。 自社の状況に合わせて柔軟に制度設計し、働きやすく休みやすい職場づくりを進めていくことが重要です。

2025年12月15日